前回は「切る」道具でしたが、今回は「縫う」道具でいきたいと思います
とりあえず集合写真
では一つ一つ行ってみましょう
菱目打ち
布と違って革は直接針で穴あけながら縫うのは不可能なんです
革は硬いので針で孔を空ける事も不可能では無いにしろ、針が折れまくるでしょうし、何より手が大変なことになる
それに革を手縫いする場合、通常「サドルステッチ」という布やミシンとは違う縫い方なので、予め孔を空けておかないといけないんですね
この「サドルステッチ」こそが手縫いの革製品の丈夫さに一役買っています
糸が切れてもほつれにくいです、糸によりますが(麻はダメ 人工シニューやナイロン等はOK)切れた所をライターの炎で炙れば取り敢えずそれで大丈夫です
菱目打ち以外にも平目打ち、ヨーロッパ目打ち等が存在します
菱目打ちは名前の通り菱形の孔が開きます
同じ菱目打ちにしてもメーカーによって空く孔の形が変わるので縫い目の表情が変わってきます
孔と孔の間の距離(ピッチ)でも沢山種類があります
一般に小さいものには細かいピッチ、大きいものには広いピッチ、繊細な作風なら細かいピッチ、ワイルドに仕上げるなら広いピッチといった感じでしょうか
ピッチが広くなると使う糸も太くなります(孔が大きくなります)
私はクラフト社に菱目打ちを使用してます
(ただ年明けにはアレがやって来る予定なんだな!)
やってきたアレ
岩田屋工具店のヨーロッパ目打ち
財布作るなら3mmか4mmのどちらかがあれば十分でしょう
ユザワヤとか東急ハンズでよく売ってるサイズのレザークラフト用の糸を使うなら4mmが良いかと思います
4本目と2本目は必要ですけど、1本目は要らないので、代わりに菱ぎりを買ってください
コレ(菱目打ち)をハンマーでぶっ叩きます
専用の木槌やラウンドモールという道具もあります
でそのぶっ叩く道具が
MACtoolsのアンチバイブハンマー
(集合写真の時は手元になかったので代理が写ってます)
名前の通り叩いた時の振動がほぼないので、手が疲れないし、適度な重さがあるので、ハンマーと目打ちのコントロールに集中できます
軽いハンマーを勢いよく振るとコントロールが悪くなって、腕が疲れていればヘタをすると狙いを外して手を殴りますね、ソコまででなくても、目打ちのは真っ直ぐ打たないと裏側の縫い穴がガタガタになります
しっかり左手で目打ちを保持して、かつハンマーを真っ直ぐ振り下ろすには、少ない振り幅で勢いよく振らずにすむ重さが必要だと思います
ラウンドモールは使ったことがないので分からないけど、木槌は軽すぎます
目打ちに対しては鉄のハンマーだと強すぎで、目打ちの頭がつぶれてきちゃいます
ただ私は鉄のハンマーの打ったときの「コン」とか「カン」という手応えが欲しいので敢えて鉄のハンマーを使ってます
「カン」て音と感触で刺さり具合とかゴム板に突き当たったのを感じとれるので
ゴム板
あまり説明しないでいいですよね
目打ちや菱ぎりで刺すときに下に敷きます
作るものが小さいし、決まった作業場所がないから持ち歩くし、取り回しがいいので、小さいのを使ってます
菱ぎり
真ん中がクラフト社ので右が旋盤のバイトを削った自作の物、左は同じく自作でドリルの刃を削った物です
切れ味「命」です
正確には「刺し味」でしょうか
ただ自作の2点は切るの方が感覚的に近いです
刺した感覚が「ザクッ」って感じですね
革の強度を考えると、繊維を切ってしまうよりも押し広げて孔を広げる方が、強度的に有利かとも思いますが、現状そんなに違いは感じないし、自作の物は先端が小さいノミのようになっているので、突き抜けた側がはっきり線になるので針を通しやすいしステッチも安定感がある気がします
針
下が普通の針ですね
長さは色々種類があります 長いものが使いやすいと思いますが、場所によっては使えない事もありますので、数種類の長さを持っているとよいかと思います。
上のまがっている針はコレを使わないと縫えない場所があるので持っています
ストレートの一番短い針で縫えない場所はコレの出番になります
糸
左からシニュー糸、ダブルろう引き糸、スムース糸、エスコード
他にも色々ありますが、今持っている糸はこんなところです
強度の強い順だと
スムース糸 ダブルろう引き糸 シニュー糸 エスコード
って感じでしょうか
でもって使い易い順でも
スムース糸 ダブルろう引き糸 シニュー糸 エスコードの順ですね
たぶんレザークラフトを始めて一番最初に手にするであろう糸はエスコードではないでしょうか?
手縫いらしいステッチになりますよね
手縫いでは、縫っている間、何度も革と擦れる事になるので、摩擦で糸が切れないように、蝋でコーティングする必要があります
ダブルろう引き糸とシニュー糸はすでに蝋が付いているので、そのまま使うことが出来ます
エスコードとスムース糸は蠟引きされていないので、縫う前に蝋のブロックにこすり付ける必要があります。
スムース糸は撚って有るわけではなく編んである糸なのでホツレ辛さでは一番ではないでしょうか
ナイロンの撚糸であるダブルろう引き糸もとっても強い糸ですね
シニュー糸も合成樹脂で出来ているので強度がありますが、撚りはないです
撚りのないまま使うか、自分で撚って使います
麻糸もシニュー糸も独特の表情があるので、好んで使う人は多いのではないでしょうか
革製品が壊れる時、革自体はかなり丈夫なので、縫い目が先にホツレてしまう事は多いと思います
その為には、よりホツレ辛いスムース糸やダブルろう引き糸が良いのだろうと思いますが、シニューや麻の雰囲気も捨てがたいと思います
結局は好みで選ぶものですね
では今回はこの辺で~
続きがあるはわかりませんが!
前回の「切る編」
ランキングが上がると気持ちも上がります。ぽちっとよろしくお願いします
バイク(整備・修理) ブログランキングへ
革・革小物 ブログランキングへ
他にも「既製品にはないオリジナルなものが欲しい」って人は お問い合わせフォーム か Twitter (@yoippari_craft) から相談してください(作れるとは言っていない)